動物の嗅覚とにおいの好き嫌い

動物の嗅覚

　　　ここで紹介する嗅覚とは空気中だけではなく、水中に溶け込んでいるにおい
　　　成分を感知する能力（味覚に似ている）を含めています。・・・・原始的な生き
　　　物程、嗅覚と味覚の区別がありません。

　　・犬の鼻は、人の鼻に比べて数万倍〜１億倍の嗅覚があると言われています。
　　　（犬の種類・年齢・環境・体調による嗅覚の違いはあります。）
　　　犬と人の鼻を比較してみると嗅細胞の大きさや形には差はないものの鼻腔
　　　内に占める嗅粘膜の広さが人よりも桁違いに大きく、それに比例して嗅細
　　　胞の数やその先の嗅線毛（人に比べ長い）の数が多くなり、においをとらえ
　　　る表面積が人の一万倍あると言われています。又、嗅球の大きさも大きく、
　　　これらの事が犬の嗅覚を敏感にしているものと考えられています。ただし、
　　　調香師と同じく犬でも訓練次第で特定のにおいの感度が良くなったりします。
　　　

　　・ゾウの嗅覚は非常に優れており、５キロ先のハンターのにおいを嗅ぎ分け
　　　る事ができると言われています。又、乾季であっても地中の水のある場所
　　　をゾウの鼻で探し当てる事が出来ます。（ゾウにさえついていけば、水の
　　　在り処にたどり着けます。）

　　・魚類では視覚が弱い程、嗅覚が優れており、その中でも特にウナギの嗅覚
　　　がスゴイそうです。（一万トンの水の中に１g のアミノ酸を垂らしただけでも
　　　感知出来ます。）

　　・猫の嗅覚も犬程ではありませんが人間の〜数万倍はあるといわれます。
　　　猫はこの優れた嗅覚をつかって、いろいろなものを判断しています。

　　・鳥の嗅覚は、一般に弱いと考えられています。しかし、本当のところはど
　　　うなのか。ニュージランドに生息するキュウーイなる鳥は嗅覚が鋭く､匂
　　　いで土の中のミミズや昆虫を捜し出して食べるそうです。又、ミズナキド
　　　リも巣に帰る際の行動は、においにより自分の巣を識別しているとしか思
　　　えない行動をとっているそうです。トンビはネズミの体臭を上空で捕らえ
　　　て追跡し、最後は視覚をつかって捕らえます。

　　・海亀やサケは自分の生まれた砂浜や川のにおい（アミノ酸などの化学物
　　　質）の記憶を頼にり戻ってくる事が出来ます。
　

動物の好きなにおいと嫌いな
におい

　 　　猫

　　・好きなにおい・・・マタタビ
　　・嫌いなにおい・・・ミカンやレモンなど柑橘系のニオイやミント系が苦手
　　　　　　　　　　　　　のネコが多い。
　　　　　　　（猫の侵入防止に庭などにミカンの皮をまいておくとよいようです。）

　　犬
　　・好きなにおい・・・ムスクやバラやスミレ臭
　　・嫌いなにおい・・・オレンジやレモンやジャスミンの香りやアルコール臭。
　　（一般にメス犬は男性より女性を好み、オス犬は女性より男性を好む傾向が
　　　あります。）

　　ハゲタカやモルモット

　　・好きなにおい・・・腐敗臭

　　ハト

　　・好きなにおい・・・花の香り

　　どんな動物でも好きなにおい・・・バナナのにおい
　　（アミルアセテート・・カメでもよく反応するそうです。）
　　　　　　　　　嫌いなにおい・・・レモンのにおい

　犬の臭い　
　　犬の肛門の周囲には 『肛門のう』 という袋があります。その中には、肛門
　　腺という器官から分泌された肛門腺液というニオイを発する粘液が入ってい
　　てます。犬がウンチをする時には、この肛門腺液がウンチに付着して、自分
　　のニオイを残すような役割をします。肛門腺液は個々の犬ごとに微妙に違っ
　　ていて、同じニオイを持つ犬はいません。
　　犬のニオイの原因は、皮膚、耳、口、お尻の周りに常駐するマラセチア・パ
　　キデルマチスという真菌が原因です。この菌は脂肪を好み、皮膚からの分泌
　　した脂肪と混ざります。
　　さらに糞尿のニオイ、ホコリや汚れとあいまって犬独特のニオイが発生しま
　　するのです。
　　尚、犬の性フェロモンのにおいはミルクを薄めたようなにおいだそうです。
　　余談ですが、一般にメスの犬の方が鼻は利くと言われています。

　猫の臭い
　　発情期のオス猫の尿には、スプレーと言われる、メス猫を誘うために強烈な
　　におい成分（通常は、アンモニアの刺激臭と混じっています。）が含まれて
　　います。尿やフンはネコの方が臭いです。体臭は、あまりありません。（本
　　来は、忍び寄って狩りをするためです。）